いじめ問題対応マニュアル:県教委作成 道徳教育の重要性強調 全小・中・高と特別支援校の教職員に配布 /和歌山
毎日新聞 2012年11月21日(水)15時29分配信
大津市の中学2年生の自殺などいじめへの対応が問題になったことなどを受け、県教委は県内の全教職員に配布する「いじめ問題対応マニュアル」を初めて作成した。いじめ発生時の適切な初期対応を示すとともに、防止に向けた道徳教育の重要性を掲げた。県教委は「全教職員が共通認識を持って柔軟に対応してほしい」としている。
マニュアルは1万3000冊作成し、県内の全小・中・高校と特別支援学校の教職員に配る。いじめの定義や態様を記載し、兆候を把握するためのチェックシートのほか、問題発生時に「管理職等への報告」「対応チームの編成」「事実関係の把握」「対応方針の決定」など項目ごとに24時間以内にすべき行動をチャート図で示した。
さらに、「『いじめはどの子どもにも、どの学校でも起こり得るものである』との認識をもつ」など、いじめ問題を根絶するための5カ条を提示。授業や学校行事などを通した規範意識や社会性の教育▽異年齢との活動によるコミュニケーション能力の向上▽児童会・生徒会活動の活発化による自主的な活動への取り組み−−など、道徳教育の一層の充実を掲げた。
来月以降、各校にマニュアルを使用した研修を実施するよう求めていく。相談窓口の連絡先などを掲載した全児童・生徒向けのカード、全保護者向けのチラシも作成し、既に配布した。【岸本桂司】
11月21日朝刊